人気ブログランキング | 話題のタグを見る
日々徒然 +
by perky_pat
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
sonic vs avedon
The Sonic Youthを聴き始めたのは、LPで言えば "Bad Moon Rising" が出たあたりのころ。当時のこのバンドの知名度のことを思えば信じられないけれども、国内盤が出ていた。僕はこのレコードを聴いてグループにハマり、"Goo" を手にするまでは、良きリスナーであり熱心なファンだった。ホントに。それに、今は主だったものを除いて手放してしまったけれども、かれらにそれなりの時間とお金を注ぎ込んだと思う。

"Bad Moon Rising" が出た翌年(1986年)には "Evol"、次の年には今回とりあげている "Sister" をリリースしている。マイナーバンドだった The Sonic Youth の名が、それまでよりも少し知られるようになったのは、"Bad Moon Rising" だろうけれど、それからしばらくして訪れるかれらの幸運(?)をもたらしたのは "Sister" だろう。はじめて聴いた時にもそう思ったけど、今聴いても名盤だと思うに違いない。思うに違いない、と書いたのは今は聴くことがないから。よく言われるように、思い出は、それが思い出だからこそ美しいのです。

ジャケットはキンキラキン、でもないか。見ればわかるように雑多な角版の写真を並べて、セロファンテープで貼り付けて、その上から金色のインクペンでいろいろ書/描いている。CHROMEのジャケットを下品にした感じ。写真を見てみよう。どこかの家の寝室とか、彗星とか、OX3頭とか、赤ちゃんとか。べつに使われている写真に意味はないように思う。オーバーオールを着た女の写真。歳は…そうだな、鮮明じゃなくってよく顔が見えないけど、18、9ぐらいかしら。サイケデリックな模様がかぶせられている。古のライトショーみたいなやつ。

大学に通っていた時分だったと思うけど、ある日タワレコでCD版の "Sister" を手に取った。好きなレコードはそうしてたから、"Sister" もCDで買い直そうとしたのかも知れない。でも結局買わなかったのだけど。手に取ったジャケットを裏に返すと、なにかしらの写真があったはずの左上の一角がスミで塗りつぶされている。なにがなんだか訳がわからなくなって、「?????」としばらくその場で固まってしまった。家に帰りLPの同じ箇所を見ると、そこは「オーバーオールを着た女の写真」があった場所。この写真を使ってヤバいことになったのかなと推測。

sonic vs avedon_b0035072_2134663.jpg


今年、10月に入ってすぐ、リチャード・アヴェドンという写真家が死んだ。81歳。客死。なんという幸せな死に方。『VOGUE』などファッション雑誌の仕事をはじめとして、主に人物撮影がかれのフィールド。アヴェドンの名前は知らなくても、彼の撮った写真をどこかで見たことがあるひとは多いと思います。有名だから。かれの代表的な作品(集)のひとつが "In the American West" 。名前の通りで、アメリカ合衆国の西部に暮らす様々な職種の人を撮ったもの。よければここのページに行ってください。抜粋を見ることが出来ます。「アレン・シルヴィ:流れ者」、「キャロル・クラッテンダン:バーテンダー」、などとその下にプロフィールが記された人物写真が掲載されています。そのつぎのページに行ってみてください。先ほどと同じようなページです。そのページの上部に、そばかすだらけで、髪の長いオーバーオール姿の女の写真がありますが、これがまさに「オーバーオールを着た女の写真」なのでした。

正確には女というよりも女の子。写真の下にやはりプロフィールを見ることができます:「Sandra Bennett, twelve year old」。Sandraちゃん12歳。12歳ってどんな職業だろう? オレもなれるもんならなってみたいぜ!という言い掛かりに近いヨタは置いといて、ある日を境に "Sister" ジャケにスミが塗られたのは、おそらくはこの女の子の写真を無断で使ったからでしょう。余談ですが、アヴェドンってギャラがべらぼうに高いらしく、作品使用料もそれに準ずるものだと思われます。でも、使用料を払う払わないじゃなく、それよりも作品を無断で使用した、というところがアヴェドンの怒りに触れたんだろうなー、と部外者の僕はかってに想像するのですが。

ところで、タワレコでスミ塗りsisterCDを手に取ったあの日からしばらくして僕は、ひょんなことから件の写真がリチャード・アヴェドンの手によるものだと知りました。写真家の名前は知っていたけど、その作品は知らない。逆の場合も多いけど、だいたいそんなもんでしょ。

アヴェドンの訃報を聞いて思い出したことがらでした。



文責:Perkyことvicke
by perky_pat | 2004-10-05 21:04 | 音楽
<< monsiur m vs. p... ramones vs perk... >>


about:

pat a.k.a. m、perky a.k.a. vickeのweBLOGページ「perky pat vs vicke = PPVV」不定期更新。書き手の詳細は以下の各々のサイトにてご覧ください。

the sites:::::::


channel_perkypat.info
on YouTube
http://www.youtube.com/user/perkypatinfo
--

flickr_Phakchii album
http://www.flickr.com/photos/perkypat/
--

pat aka m@ the days of perky pat
perkypat.info
--

vicke aka perky@ vickehappytalk
www.chez.com/vicke/
--

phakchii@
++ パクチー大盛り! ++
perkypat.info/phakchii/


mailto:::::::
info(a)perkypat.info
お手数ですが(a)を@に置き換えてください

youtube channel perkypatinfo
以前の記事
カテゴリ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧