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10数年ぶりにロマンチカの公演を観て来ました。10数年なんて書くと自分がものすごいおばさんになったような気がするけど、本当なんだもん(汗)。「エリザベート・バートリ」を観た友だちが、すごいすごいと言うので最初は小公演を幾つか観に行って、大きな舞台では「夏の夜の夢」とか「泥棒日記」を観たような記憶が(うろおぼえ)。93年頃と思いますが、私の友だちの間ではロマンチカの看板女優だった原サチコさんは絶大な人気を集めていて、ロマンチカ風にビスクドールみたいな細いアーチ型の眉を描くのが流行でした。ある日写真をやっていた友だちが私のポートレイトを撮ってくれて、その写真を見せてもらったら、その細い眉が自分に全然似合ってないことに気付いて愕然。それ以来眉を細くするのはやめてしまいました(^^;;。こうやって自分を知って行くわけですね(笑)。
90年代前半までは舞台を観るのが好きで、少ないお小遣いの中から一生懸命観ていましたが、ロマンチカはずば抜けて洗練されていたと思います。演劇って、汗臭いし暑苦しいのがフツウだけど、彼女達には汗臭さが全くないんですよね。お人形みたいに細くてきれいな人間離れした女優さんたちが、セリフ棒読みで舞台をヒラヒラと動き回る、なんて演劇のカテゴリの中ではものすごく異様。演劇というより動く絵という感じでしょうか。良くも悪くも薄っぺらできれいな書き割りを観てるような舞台でした。ただいくら演出だとは言っても、棒読みのセリフをえんえんと聞かされるのは辛くて。。。舞踏のようなセリフのない表現の方に興味が移ってしまった事もあり、だんだんと観に行かなくなってしまったんですけど。 さて、久しぶりに観たロマンチカ。音楽が飴屋法水さんという事もあって、かつてのアングラ演劇界のスターたちが今はどんな事をやってるのかな?という好奇心と、怖いものみたさでチケットを取りました。その結果は。。。「感動」!! 自分が感動するとは思っていなかったので、公演が終わった後はなんだか落ち着かなくてソワソワしてしまいました(笑)。 なんと言っても横町慶子のEVILな美しさ。何に感動したって、これに尽きます。一緒に観に行った妹は初ロマンチカだったのですが、「あのきれいな人はだれ?」と一瞬で彼女に夢中。これぞロマンチカだよね。 私が覚えている限りでは10数年前の横町さんてもっと、地味な感じの女優さんだったのに(ファンの方にはすみません)。背が高くてきれいな身体つきで看板女優のひとりだったけれど、原さんの危うい少女っぽさに比べると、なんというか大人っぽくて。夜の海のように静かな印象でした。その頃の女優さんたちはみんな辞めてしまったようで、私が知っているのは横町さん一人だけでした。 その横町さんが舞台に現れるやいなや、ものの数秒で私たちをとりこにしてしまったのだからすごい。こういうのを「華」があるというのでしょう。長い時間をかけて鍛え抜かれた身体の圧倒的な美しさと、この世のものとは思えぬ凄みのある笑顔。それだけで目が釘付け。セリフもおはなしももはや必要なしの域。相変わらず汗臭さも暑苦しさも皆無でしたが、書き割りの印象ではなくなってました。適度に筋肉の付いた身体がリアリティを生んでいて、ああ生身なんだと分かる。この生身感ていうのが舞台のおもしろさと、感動を生むんじゃないかしら。この人は、自分の意志でこの生身を作り上げてきたのだと思うと、なにか胸を突かれるような気持ちになりました。舞台をずっと続けている人、長い間続けているバンドなんかもそうですが、時間をかけて研ぎすまされる人っているんですよね。。。自分が飽きっぽいからなー。「続ける」という才能に敬意を表します。 なんだか、横町さんの存在自体にショックを受けてしまったため(笑)、演目については、特に言う事なしです。ボーッとして観てました(^^;;。カッコイイ、きれい、エロイ、コミカル、いろんなイメージが万華鏡のごとく楽しめて、とくに印象的だったのは男装と尼僧のシーンでしょうか。 注目の音楽は、さすがという他ない素晴らしいものでした。選曲はどろどろ重い系、じゃらじゃらうるさい系ロック中心でしたが、おフランス風のお洒落な音楽より今のロマンチカにはずっと合っていたと思います。ゆら帝の「ザ・コミュニケーション(た、たぶん)」、ベルベットの「Venus in Furs」など、好きな音楽がそのシーンにピタッとはまっているのはゾクゾクしますね。 その他では、照明も良かったです。照明って場所の空気をぱっと変えてしまう魔力があるから好きで。シンプル、というかほぼ何もない舞台に音楽と人と照明だけで完成するっていうのは、3ピースバンドみたいなもので舞台の究極スタイルじゃないでしょうか。セットではシャワーのシーンとモニタの使い方がおもしろかった。「マックスモンアムール」が流れてるのは分かったけど、反対側のモニタで流していたのは何だったのでしょうか。目が悪くて見えなかったので気になってしまいました。それと、衣装。これまた素敵。。。完璧でした。ひとつだけ残念だった事を挙げるならば、み〜んな横町さんに食われてしまって、ほかの女優さんたちの影が薄かった事。ダンスのレベルが全体に底上げされるといいなーと思います。 でもこの内容で4000円は安かった! チケットはあっという間に完売してしまったようですが、安い分、2回観に行けば良かったと後悔したくらいです。次に公演があったら最低2日は行かなくては。それにしてもロマンチカにはいつだってきれいな女優さんが集まってすごいなあ。女の子が夢中になる「魔法の呪文」が本当にあるんだとしたら、林巻子さんは知ってるに違いない。 文責:Patことm 2006.3.5@スフィアメックス
by perky_pat
| 2006-03-07 21:44
| 映画・ステージ
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