日々徒然 +
by perky_pat
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オスカー・ワイルド「こうふくなおうじ」
子供のころに読んだおはなしで、忘れがたく心に残るものがあります。これは私の本ではなくパーキーが大事にしていた本。私も子供のころに読んだはずなのですが、当時の私にはこのおはなしがよく理解できなかったようで、ほとんど覚えていませんでした。私は「おしいれのぼうけん」とか「ぼくは王さま」シリーズとか無邪気な本やおはなしが好きで、頭の中はじぶんの事でいっぱいだったのです。大人になって子供向けの絵本版と、文庫になっている童話版の「こうふくなおうじ」を読んでみると、おうじとつばめの献身ぶりに、心を打たれます。献身、犠牲、大人になってからも自分のなかにほとんど育っていない要素だから余計に(汗)。このお話を読んでからこのイメージが頭から離れなくて、ワンシーンをお人形のニットに写しました。おはなしの抜粋を私のサイト The Days of Perky Patにのせてあります。おうじをおうじょにしたり、話をちぢめたりとかなり翻案してますが、もう忘れてしまったという方は読んでみてくださいね。

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オスカー・ワイルドって言ったら「男色者のアイドル」っていうイメージがあってとても倫理的な人とは思えないのですが、またなんでこういう話を書いたんでしょう。

このお話の主役はつばめです。かれは最初からちょっと変わっていて、夏のあいだに遊んでいた川辺に生えていた「葦」に恋をします。草ですよ。もの言わぬ草。かなり変わってますよね(笑)。ともだちには「おかしな恋人だ」とバカにされますが、つばめは「葦」の優美なおじぎに夢中だったのです。秋になって仲間があたたかいエジプトへ向ってもつばめはひとり残ります。でもひとりぼっちになり、物言わぬ「葦」との毎日にだんだん嫌気がさしてくると、つばめは言い訳をしながら「葦」を捨て、やはりエジプトへ向うことにしました。つばめがおうじと出会うのはこの後です。

かれはもともとは、少しの優しさと少しのわがままさを合わせ持つごくふつうのつばめでしたが、ほかのつばめと違うところがひとつだけありました。それはみなが見逃していた「葦」の美しさを見い出す繊細な心と、識別眼を持っていたこと。おうじのねがいを、最初はしぶしぶと聞いていたつばめですが、良いおこないを続けるうちにおうじの心にじょじょに感化され、その心の美しさのとりこになってしまうのです。「葦」への気持ちが「恋」であったなら「おうじ」への気持ちは「愛」。つばめは我を捨ておうじのために自分の身を捧げます。

このように考えてみるとこのお話は単に倫理的な話ではなくて、愛と美意識で貫かれたお話であって、献身や犠牲もちょっとマゾヒスティックな様相を呈してきますよね。とくに、美しいおうじの心臓が貴金属ではなく価値の低い鉛でできていたことや、それがつばめの死骸とともゴミ捨て場に捨てられるあたりは、なんとも陰鬱。とうといものがゴミのなかで死んでいる(死んでいく)というイメージは、私の好きな映画のひとつ「灰とダイヤモンド」のラストシーンを思い出させます。子供に植え付けるにはちょっと衝撃的すぎるイメージです。

最後のかみさまのくだりはキリスト教徒でない私には「?」なところもあるのですが、この世でみとめられなくとも、あの世ではみとめてもらえるのだという締めくくり、暗いけれど甘美ですね。このエンディングによってこのお話は倫理的なイメージを強く獲得し、世界に広く知られる名作となったのでしょう。まぁ、普通の子供はこのお話を読んでも「へ?」とも思わないでしょうけど、パーキーのように心に残ってしまう子もたまにいるわけで、だからあんなに変になったのか(汗)、変だから好きになったのか分かりませんが(滝汗)、オスカー・ワイルドなんぞは大人の読むべきものです。ほんとうは。

文責:Patことm

追記:今回のニットは自分用に作ったので出品はしません。気が向いたらまた秋にニットを作ろうと思ってます☆
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by perky_pat | 2005-03-12 00:20 | 書籍 | Comments(4)
Commented by SHOKO at 2005-03-12 03:45 x
ニット落札できなくてすみませんでした〜。。
とっても可愛かったのに、、また秋に期待させて頂きますね
ごめんなさい!
こうふくなおうじってどんなお話だったかしら?
私の知ってるお話かな、、なんか童話とかって似た感じのストーリーとかがあるから時々ごっちゃになっちゃって(^-^A
Commented by Pat at 2005-03-12 21:22 x
こんばんは、ニット残念でしたね。だいぶ先になりますが、次の機会によろしくお願いします^^。
この本の原題はHAPPY PRINCEというのですが、翻訳によって、幸福の王子、幸せな王子とか、いろんな書名があるんですよ。小学生のころに、みないちどは読んだことがあるんじゃないかなぁ。ピクチャーズのページに、おはなしの抜粋が載ってますので良ければ読んでみてください^^。
Commented by K* at 2005-03-14 01:29 x
Patさん こんばんは
幸福の王子!子供のころ何度も読んで何度も泣きました
剣の鞘の飾りについていた宝石を、お腹を空かせた子供たちのパンに…というのはよかったのですが
身体中の金箔をはがして、目を取ってという場面では「もうやめてもうやめて」って思ってましたよー(怖かったんだと思います)
私が一番心に残っているのはツバメが旅立ちをあきらめて(死を覚悟して)王子のそばに残ったことですね
Commented by Pat at 2005-03-14 20:10 x
K*さん、ごぶさたです^^。このお話覚えてたんですね。何度も泣いたなんてきっと優しい女の子だったんだなぁ。私といえば食べ物の出てくる本ばかりが好きだったというのに(汗)。最近このお話を読み返して、内容の深さにびっくりしました。おっしゃる通りこのお話のポイントは、つばめの心が変化してゆくところですよね。
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